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ロンドン市長のケン・リヴィングストン氏が、オフィシャルな会議中にウイスキーをがぶ飲みしていたという。英国は今、そんなちょっと信じ難い話題で持ち切りだ。
その様子を収めたドキュメンタリー番組が、21日の20時から英国第4の公共放送「Channel 4」にて放送された。撮影されたのは、昨年の11月14日だという。朝10時 (!) から市庁舎で開かれたロンドン市議会の会議でのことだそうだ。
そのスクープの裏づけをとるため、同局のレポーターは彼が飲んでいた琥珀色の液体のサンプルをこっそり入手。そしてその液体を政府管轄下の科学研究所に持ち込み、間違いなく47度のアルコールだという分析結果を得たらしい。
後日、その潜入レポーターは市長と話をする機会を持ち、「14日の会議の後、あなたは間違いなくフラフラだったはずです。」と告げた。すると市長は悪びれる様子もなく、「私はねえ、ウイスキーがないとやっていけないんだよ。飲んでいないとすぐに咳が出てしまうんだ。」と答えたらしい。う~む、素晴らしい市長だ。大丈夫か?、ロンドン。
さて、市長の飲んでいたウイスキーだが、銘柄が気になるところだ。47度という度数だけが手がかりでは、絞り込むのはかなり難しい。そこで市長の愛国心を信じ、スコッチであったと仮定しよう。やや高めのアルコール度数からはついついシングルモルトを思い浮かべてしまうが、どうも「がぶ飲み」という表現がひっかかる。嗜好品の楽しみ方は人それぞれなので断定はできないが、モルト・ウイスキーではなかったのではないかと思う。とすれば、このあたりが有力候補となるだろうか。
番組によれば、リヴィングストン氏のその“習慣”は、大ロンドン庁 (Greater London Authority) で定められた行動規範に明らかに違反してるそうだが、それはそうだろう。しかし、首相のゴードン・ブラウン氏はこの一件について、「彼には確固とした活躍してきた経歴があり、人々はそれを知っています。そういう視点から、人々は彼に対して判断をくだすでしょう。」と、何だか奥歯に物が挟まったようなコメントだ。リヴィングストン氏は労働党内では先輩に当たる人物だから、ブラウン首相としても頭の痛いところだろう。
今、アイラ島で面白い競技会が開催されている。その名も「ウイスキー樽はいずこに?(Spot the whisky barrel.)」。
どんな競技かというと、上空の飛行機から落とされたウイスキー樽の落下地点を予測し、その正確さを競うといったもの。もちろん、投下される地点は予め明かされている。そして当然といえば当然だが、落とされるのは海の上。しかも空樽で、パラシュートが装着されるとのこと。なお、樽の重さは54キログラムだそうな。樽の着水後、きっかり5分後に陸地からボートがやってきて、3名の審判員がGPS(全地球測位システム)を使って位置を記録するといった運びらしい。
着水地点は飛行機の飛ぶ方向によっても左右されるが、西に向かって時速90マイル(145キロメートル)のスピードで飛行するとのこと。そして、5,000フィート(1,666メートル)の高さから投下するという。偏西風に対しては向かい風ということになるが、必ずしも真西から吹くわけではないので、流される方向は勘に頼るのみか。ちなみにアイラ島の風向き予報がここに載っているが、まあ参考程度にしかならないと思う(笑)。
参加料は25ポンドとまずまずの価格設定。決して安いとは言えないが、賞品は豪華だ。最も近い位置を言い当てた1等賞には、アイラ島内の3エーカーの土地(150,000ポンド相当)とそこに家を建てるために100,000ポンドの現金が用意されている。もしくはキャッシュで250,000ポンドを受け取ることも可能だとか。サッカーグラウンドひとつの面積が1エーカーだそうだから、3エーカーといったら相当な広さだ。ちなみに場所はここ。
2位は、現在建築中の新しいホテル「アイラ・ホテル」のペア宿泊券を1名に。滞在期間は1週間だそうな(6,000ポンド相当)。3位は、アイラモルトが詰められているウイスキー樽(ホグスヘッド。ボトルに換算すると250本ほどの分量)を1名に。ウイスキー税はすでに納付済みの樽だとのこと(4,000ポンド相当)。4位は、特製のプレゼンテーションボックスに収められたアイラとジュラのウイスキーの9本セットを1名に(1,000ポンド相当)。これらの賞品も1位の場合と同様、キャッシュでの受け取りが可能だ。
締め切りは来年の3月末日。そして4月の一番最初の安全に飛行機が飛ばせる日に、樽の投下が行なわれる予定だ。一人で何口応募してもいいが、60,000口のエントリーが集まった時点で受付は締め切るとのこと。
参加資格は18歳以上であることだけだ。これは「アイラ・ドリーム」を叶えるチャンスかも・・・?
※この競技会の運営は、イベントと同名のSpot the Whisky Barrel Limitedという会社によって行なわれています。ちゃんと登録された会社であることは間違いないのですが、素性はよくわかりません。エントリーは何とぞ自己責任にてお願いします。
追記(12/17):
ISLAYBLOG.COMというブログの12月16日付けの記事の中で、M's Whisky Diaryと当該記事を紹介していただいた。
香港を拠点に活躍しているイギリスのデザイナー、マイケル・ヤングがニッカの新しいウイスキーのボトルをデザインしたとのこと。マットブラックに仕上がったボトルの表面は、一見ランダムに並んだ(蜘蛛の糸のような規則性があるようにも見える)凹凸によって独特の雰囲気を醸し出している。とてもウイスキーのボトルには見えない。
マイケル・ヤングは、イギリスを代表するプロダクトデザイナー。ジャイアントの自転車やシュウェップスのバーウェアを始め、ブランディングを含んだデザインプロジェクトを手がけている。2007年7月にはパリのラコステより新シリーズを発表するなど、世界的に様々なジャンルで活躍中だ。
そう言えば、一昨年にリリースされたブラックニッカの誕生40周年記念ボトルが、凹凸こそないが同じような質感のボトルだった。ヤング氏のデザインがどの程度ニッカの意向に沿ったものなのかはわからないが、表面の色と質感はきっとニッカ側からの指示なのだろう。
なおこのウェブサイトに、ウイスキーの名前は「Cloud 9」になるなんてことが書かれてあるが、本当だろうか? Cloud 9 の意味だが、on cloud nine という成句で「とても幸せな」もしくは「天にも昇る心地で」といった意味で使われる。cloud nine とは積乱雲のことで(米国の気象庁で用いられた雲の種類の9区分から)、非常に高くまで上昇することからそうなったらしい。またダンテの「神聖喜劇(The Divine Comedy)」の中では the ninth heaven が神に一番近く、最も幸福であるとされたことに由来するとも。
まあどんな名前になるにせよ、リリースされた途端世間をあっと言わせることは間違いない。おそらくメディアもこぞって取り上げるだろう。今から楽しみだ。
「ハイランド・ゴールド・ファイネスト・ウイスキー」、「ローランズ・ブレンデッド・ウイスキー」、「アイラ・ウイスキー・クリーム」なんて銘柄のウイスキーが市場に出されている。これらの酒の原産地は、順にスリナム共和国&オランダ、スペイン、イタリアだ(苦笑)。いずれのネーミングもスコッチと見紛うばかりのできばえである。
かねてからこの手のまがい物の跋扈を苦々しく見ていたSWA(スコッチウイスキー協会)は法改正の必要性を説いてきたが、このたび行政が腰を上げる運びとなった。現行の法律では、「スコットランドの蒸留所で糖化と発酵、そして蒸留を行なったもの以外の酒を、“スコッチウイスキー”と呼んではいかん!」となっているのだが、例えば「ハイランド」のような“地域”や「ブレンデッド」といった“タイプ”に関する法定義はない。
新法では、5つの“地域”と5つの“タイプ”に関する規定が盛り込まれる予定だ。すなわち、地域は「ハイランド」、「ローランド」、「スペイサイド」、「キャンベルタウン」、「アイラ」。タイプは「シングル・モルト」、「シングル・グレーン」、「ブレンデッド」、「ブレンデッド・モルト」、「ブレンデッド・グレーン」となる。「ブレンデッド・モルト」は、2004年の“カードゥ騒動”を発端に生まれた新語だが、それを提案したSWAの指針がそのまま採用されたということだ。またこれまでは許されていた、ウイスキーの入った樽の輸出も禁止される。新法に関する協議は今年の年末にかけて行なわれ、来春に施行の予定とのこと。
このウイスキー新法が国際的に承認され適用されるようになれば、シャンパンやパルマハム、ロックフォールチーズがヨーロッパの貿易法に守られているのと同様に、例えば「アイラ・モルト」といった名称が保護されることになる。
スコットランド相のデス・ブラウン氏は、「ウイスキーはスコットランドが輸出する最重要品目。年間20億ポンドもの経済効果をもたらすのですから、一部の海外市場に流されるイミテーションから、スコッチウイスキー産業を保護する法律が必要なのは当然です。SWAも新法の施行を歓迎していますし、政府としてもスコッチ業界の声には注意を払い、かつ熱心に耳を傾けていきます。」とコメントしている。
ディアジオ社がシングルモルトスコッチの「フレーバー・マップ」なんてものを作っているらしいという話はあったのだが、先日それが公開された。このマップ、縦軸には「デリケート⇔スモーキー」を、横軸には「ライト⇔リッチ」を指標にしてあり、ウイスキーライターのデイブ・ブルーム氏の協力を得て作られたとのこと。
早速ざっと拝見したが、シンプルでとてもわかりやすい。ただし蒸留所のハウススタイルがマッピングされてあるわけではなく、あくまでもスタンダード商品の分析マップである。汎用性に欠けるとの意見も出そうだが、むしろ分析の基準が曖昧なものよりは遥かにいいと個人的には思う。また外枠には琥珀色の濃淡までが表わされているが、これは残念ながら実用性に乏しい。
なお画期的なのが、ディアジオ社の所有でない蒸留所までが載せてある点だ。最大手であるが故の余裕なのか、はたまた企業の枠を越えスコッチ業界を盛り立てようという意図なのか、もしくは中立な立場にあるブルーム氏がその点を強く主張した可能性も考えられる。いずれにせよその英断には拍手を送りたい。
1年以内に8,000以上の酒販業者がこのフレーバー・マップを入手して利用するだろうとディアジオ社は見込んでいるらしいが、ファンや業界関係者にとっても必携のアイテムになることは間違いない。