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64年物のダルモア「トリニタス (Trinitas)」がリリースされた。リリースされたといっても、たったの3本のみだ。すでに2本は買い手がついたという(うち1人はウイスキーエクチェンジのスキンダー氏)。残りの1本は、ロンドンで開かれる「ウイスキーショー」のためにリザーブされているらしい。
価格はなんと、10万ポンド(約1,300万円)である。ウイスキーの価格で、6桁の数字が並ぶ(英ポンドで)のは過去例がない。なお、トリニタスとはラテン語で三位一体を意味する言葉だが、限定3本であることがその名の由来だとか。
ホワイト&マッカイ社のマスターブレンダー、リチャード・パターソン氏のテイスティングノートは以下の通りだ。
最初に広がる香りは大変複雑。甘みの強いレーズン、芳醇なコロンビアコーヒー、砕かれたクルミ、ビターオレンジ等の蠱惑的なアロマに魅了される。さらにグレープフルーツ、白檀、ホワイトムスク、そしてインドネシア産のパチョリが加わり、馥郁としたアロマが完成する。
隠れているすべてのフレーバーを引き出すため、口に含んだウイスキーは慈しむように時間をかけて味わいたい。甘いスルタナレーズン、イチジク、カラメルがトッピングされたセビリアオレンジ(ダイダイ)、リンゴ、マンゴー、そしてデーツが舌の上に広がる。すぐさまデュルセ・ムスカテルワイン、マジパン、糖蜜のトフィ、柔らかいリコリス(甘草)、そしてローストコーヒーが、いつまでも続く波のように追いかけてくる。最後にトリュフの柔らかな感触やクルミ、マスコバドシュガー(黒砂糖)が現れ、深く記憶に残るファンファーレのように完璧なフィニッシュを迎える。
ウイスキーファン(Whiskyfun)のセルジュ・ヴァレンティン氏がトリニタスについて記事を書いているが、半ばやけくそ気味のナンセンスな内容で笑った。以下にその記事の一部を引用しておくので、ご興味があればどうぞ一読を。
すでに諸君の耳にも届いていると思うが、ダルモアのナイスな皆さんと、愛すべき我らがトップリーダー、リチャード・パターソンが、ダルモアの新商品「トリニタス」を発売した。3本限定で、しかもすでに2本は、それぞれ10万ポンドで買い取られたとか。ボトルには「64」という数字が記されているが、これは64年熟成であることを示している。そう、これはいわゆる“アフリカの貧困国救済チャリティボトル”といった類のシロモノで、我々のような一般消費者のために出されたウイスキーではないのだ。だが、このウイスキーのレプリカを造ることは可能だ。どうやって? 簡単さ。パターソンが書いた詳細なテイスティングノートは、すでに頭に入ってる。
種無しカリフォルニアレーズン
コロンビアコーヒー クルミ ビターオレンジマーマレード グレープフルーツ 紫檀パウダー ホワイトムスクのアロマオイル パチョリオイル スルタナレーズン イチジク セビリアオレンジスプレッド リンゴ マンゴー デーツ モスカテルワイン マジパン トフィ リコリスキャンディ エスプレッソローストコーヒー ブラックサマートリュフ マスコバドシュガー グレーンスピリット 電動ミキサー コーヒーペーパーフィルター |
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OK、買い付け完了! さて合計はいくらだ? 60.13ポンドぽっきり! (トリュフがちょっと高かったな。電動ミキサーは、もし奥さんか母親が持っていたら借りればいいよね。あと、ガレージセールに行けば安手の中古クリスタルデキャンターがみつかるかも?)その差額は99,939.87ポンド。その浮いたお金で、いったい何が買えるか想像してごらんよ!
追伸 その1
もしこれを飲んだら、一両日中は酒が飲めなくなる可能性あり。追伸 その2
もし諸君がポルシェに興味がなかったり、何を買うのも馬鹿らしいと思うのであれば、“国境なき医師団”に寄付するのがいいだろう。もしくはロンドンで開かれる豪華な「ウイスキーショー」に足を運び、最後の1本の本物のダルモア・トリニタスを買うのもよし。ただし、2人のウクライナ人ボディガードを雇うのを忘れないように。
最後の「2人のウクライナ人ボディガード」は真意がよくわからないが、ウォッカ好きで正直者のウクライナ人なら安心して護衛を任せられるといった意味なのか?