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1986年11月に操業を停止したグレングラッソ蒸留所は、当時は操業再開の見込みはほとんどないとまでいわれていた。しかし2008年2月にロシアや東欧の投資家たちが中心になり、エドリントン社から同蒸留所を買収、翌年の12月には操業を再開し奇跡の復活を遂げた。最初に詰められた樽が今年の12月16日に熟成期間がちょうど3年を迎え、法律的にウイスキーと呼べる歳になる。誕生日を迎えたらすぐにボトリングされる予定だそうで、ノンチルフィルタリングでカスクストレングス、650本の限定販売だという。
この“一番目の樽”だが、リフィルのシェリーバットとのこと。ユニークなのは、熟成が2年を経た2010年12月16日に一旦他の2つのシェリー樽(ペドロヒメネスのファーストフィルと、パロ・コルタドのファーストフィル。共にホグスヘッド)に詰め替えられたことだ。9か月後の2011年9月16日には、どちらも再び元のリフィルバットに戻され、現在マリッジ中だという。
パロ・コルタドは珍しいシェリーだ。風味の特徴はオロロソの豊かさと、アモンティリャードの切れのよさを合わせもつ。オロロソと同種の酸化熟成系のシェリーだが、人為的に造ることができない偶然の産物でその確率は1~2%程度だという。
オフィシャルサイトのオンラインショップでは、すでに先行予約販売を開始している。価格は90ポンドとやや高めの設定だが、“一番目の樽”というプレミアムを考えれば仕方がないのかも。
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【プロフィール】
HN:
MUNE
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性別:
男性
自己紹介:
1990年頃、スコッチウイスキーの魅力に開眼、次第に傾斜を深めていく。1998年、ウェブサイト「M's Bar」を開設、書き溜めていたシングルモルトのテイスティングノートを公開。2005年、ウイスキー専門誌「THE Whisky World」の発足メンバーに。現在は、試飲のできるリカーショップ「M's Tasting Room」の運営に携わり、ウイスキー関連のイベントでは講師やアドバイザーなども務める。著書に『うまいウイスキーの科学』(ソフトバンククリエイティブ)など。
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