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ブルイックラディのマネージングディレクターであるマーク・レイニア氏が、「スコッチウイスキーの起源はヴァイキングかも?」といった興味深い記事をオフィシャルサイトに載せている。スコッチの蒸留技術はアイルランドの宣教師によって伝えられたというのが定説だが、ヴァイキング起源説はそれを覆す新説だ。
ヴァイキングが伝えたのかもしれないというその根拠だが、スコットランド在来種の大麦であるベア種はそもそもヴァイキングが持ち込んだもの、そして彼らは最初に蒸留アルコールが製造されたといわれる中東にまで進出していたという、その2点だ。
いわゆる海賊としての「ヴァイキング時代」は793年にイングランドのリンディスファーン修道院を襲撃したのを皮切りに、1066年にスタムフォード・ブリッジの戦いでイングランド軍に敗北するまでとするのが一般的。また最初に蒸留アルコールが製造されたのも8世紀から9世紀にかけてだといわれている(レイニア氏によれば、800年ごろにガーバーというアラブ人が、シリアで最初の蒸留酒を造ったという記録があるのだそうだ)。すなわちヴァイキングが、ベア種の大麦と蒸留技術を一緒にスコットランドに持ち込むことは可能だったということなのだ。
ウイスキーが歴史上はじめて文献に登場したのは、1405年のアイルランドだ。スコットランドでは1494年が最初で、スコットランド王室財務記録帳に、「王の命令により修道僧ジョン・コーに8ボルの麦芽を与え、アクアヴィテを造らしむ」と書かれている。しかし実際は、これより数百年前から麦芽の蒸留酒はあったというのが定説だ。この点でも、ヴァイキング起源説は矛盾しない。
あるいは、どちらの説も間違いではないという可能性もある。双方もしくは複数のルートから伝わったと考えるのが、むしろ自然ではないだろうか。もしかしたらヴァイキング起源説も、別に目新しい考え方ではないのかもしれない。キリスト教が生活の中心にある国々で、ヴァイキング説が遠ざけられ、アイルランド宣教師説だけが取り上げられるのは決して不思議なことではない。