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好景気を続けるロシアだが、どうやらその資本がスコッチ業界にも投入される運びになりそうだ。ロシアのある事業団体が、グレングラッソ蒸留所の買収をめぐってエドリントン社と交渉中だというニュースが、昨年末から年始にかけて流れてきている。業界筋によれば、交渉はすでに大詰めの段階だという。
国家資本主義体制のもとに創設された国策会社が、蒸留所のオーナーとなるその歴史的な意味合いは大きい。企業の乗っ取りが横行しているだとか、元スパイが毒殺されただとかいう話を聞くたび、この国は相変わらずなんだなと思う。蒸留所のカラーが、某蒸留所のように大きく塗り変えられないことを祈りたい。
またそんな好景気に後押しされ、ロシア国内でのスコッチ人気もかなり熱を帯びてきているという。2000年には前年の5,000,000ポンドだった輸出額が20,000,000ポンドにまで跳ね上がり、2005年には25番目に重要な輸出相手国となったという統計も出ている。ちなみにロシアで売れているシングルモルトの4大銘柄は、グレンフィディック、マッカラン、グレンモーレンジ、そしてブルイックラディだとのこと。ロシアでジャパニーズ・ウイスキーの人気が高まっているという記事(2007年7月13日付け)を半年ほど前に書いたが、ローカルなカテゴリーには収まりきらないほどこの国のウイスキー人気は熱いようだ。
さてグレングラッソといえば、フェイマスグラウスやカティサークといった有名どころのブレンデッド原酒としては知られる銘柄だが、シングルモルトはあまり見かけない。というのも、元々ほとんどがブレンデッド用として使われていた上に、操業を停止していた時期も多かったためシングルモルトとして出回っている量はごくわずかなためだ。ウイスキーライターのチャールズ・マクリーン氏は、「オーナーが話題にしない蒸留所」なんていう辛辣な批評をしている。
これまでに当方が飲んだグレングラッソは恐らく10種類程度に過ぎないが、いずれのボトルもまずまずの仕上がりだったという印象を持っている。THE Whisky World 誌上で2006年ベストウイスキーに選ばれたのもグレングラッソだった。閉鎖されてしまう蒸留所というのは、得てしてクォリティ面にそれなりの原因があったりするものだが、この蒸留所は数少ない例外のひとつだと個人的には位置づけている。ウイスキーライターのエリザベス・ライリー・ベル女史も、グレングラッソ蒸留所を「隠れた宝石」だと評している。マクリーン氏と違ってよくわかってるねえ、彼女は(笑)。