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lagavulin_guitarr.jpgイタリアのギター・メーカーが、なんとウイスキーの樽を加工してエレクトリック・ギターを作ったという。しかもラガヴーリンの樽だとのことで、俄然興味が湧く。利用した樽の部位は、当然と言えば当然だが鏡板である。

作ったのは『マネ(Manne, 英語読みなら“マン”かな?)』というメーカー。“ウイスキー・ギター”誕生のいきさつはこうだ。経営者のアンドレア・バラリン氏は、今年のムジークメッセ(musikmesse 2008, [3/12~15], ドイツのフランクフルトで毎年開かれている国際楽器見本市)に展示するギターのアイデアが浮かばず悩んでいたらしい。そんなおり、彼がシングル・モルト好きであることを知っている人物が、ウイスキーの樽を原材料にしてみては?なんていう提案をしたところ、そのアイデアがずばりバラリン氏のツボにはまったということだ。

実際の制作にあたっては、有名なウイスキーサイト、『モルトマニアックス(Maltmaniacs)』のヨハネス・ヴァン・デン・フーヴェル氏と『ウイスキーファン(Whiskyfun)』のセルジュ・ヴァレンティン氏に協力を仰いだという。またディアジオ社に空き樽の提供を打診したところ、同社のニック・モーガン氏は快諾し樽を送ってくれたとのこと。

wg0.jpg樽はよく乾燥させ、ギターの材質に適したコンディションに整えていく。そして裁断と成形が済んだ樽材のボディには、表面を保護するためのオイルを塗布といった按配で作業が進められる。さて、その保護剤のオイルだが、何とラガヴーリンのモルトが“ヴァッティング”されているという(笑)。しかも、1991年ヴィンテージのスペシャルエディション(すなわち“ダブル・マチュアード”)だそうな。思い入れも、そこまでいけばアッパレだ。

ウイスキー樽の廃材を利用したものは、家具や家屋の内装、文具などこれまでにもよくあったが、楽器に利用するというアイデアには正直唸った。しかも裏には、鏡板だったことを物語るステンシル文字が残されている点も洒落ている。

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【プロフィール】
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MUNE
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男性
自己紹介:
 1990年頃、スコッチウイスキーの魅力に開眼、次第に傾斜を深めていく。1998年、ウェブサイト「M's Bar」を開設、書き溜めていたシングルモルトのテイスティングノートを公開。2005年、ウイスキー専門誌「THE Whisky World」の発足メンバーに。現在は、試飲のできるリカーショップ「M's Tasting Room」の運営に携わり、ウイスキー関連のイベントでは講師やアドバイザーなども務める。著書に『うまいウイスキーの科学』(ソフトバンククリエイティブ)など。
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