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LVMH社(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)がグレン・マレイ蒸留所を、ぺルノー・リカール社がグレンドロナック蒸留所を、それぞれ売却する意向であるというニュースが先日立て続けに流れた。いずれも現在はまだ買い手が決まったという発表はなされていないが、ある情報筋によればグレンドロナックの売買交渉はすでに最終段階であるという。
LVMH社はグレン・マレイ蒸留所を手放すのではないだろうかという憶測は、グレンモーレンジ社を買収した当時すでにまことしやかに囁かれていたのだが、果たしてその通りになった。一部の報道によれば、ホワイト&マッカイ社を傘下に置くユナイテッド・ブリュワリーズ・グループが、グレン・マレイに対し食指を動かしているとのことだったが、その後続報は聞こえてこない。
アライド時代に1995年から2002まで操業を停止していたグレンドロナックは、2005年にぺルノー・リカール社の手に渡った。多くのシーバス系蒸留所が買収されたのちに操業停止に追い込まれたことを思えば、グレンドロナックの扱われ方は不遇とまでは言えまい。しかし現在、常時製造されているのは「オリジナル12年」の一種類だけだ。ボディは軽くシェリーのニュアンスも希薄で、往年のグレンドロナックらしさは私には感じられない。この蒸留所は古くからのファンも多く、人気のあるシングルモルトとして名を馳せた時期もあったが、その面影は今やまったくない。
まあどこが買収したにせよ、これまでよりもいい状況で新たなスタートを切ってくれたらと切に思う。特にグレンドロナックには、かつてのような勢いを取り戻して欲しいと強く願わずにはいられない。
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【プロフィール】
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MUNE
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性別:
男性
自己紹介:
1990年頃、スコッチウイスキーの魅力に開眼、次第に傾斜を深めていく。1998年、ウェブサイト「M's Bar」を開設、書き溜めていたシングルモルトのテイスティングノートを公開。2005年、ウイスキー専門誌「THE Whisky World」の発足メンバーに。現在は、試飲のできるリカーショップ「M's Tasting Room」の運営に携わり、ウイスキー関連のイベントでは講師やアドバイザーなども務める。著書に『うまいウイスキーの科学』(ソフトバンククリエイティブ)など。
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