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アウターヘブリディーズのルイス島に、アビン・ジャラク(Abhainn Dearg)蒸留所がオープンしたのが2008年のこと。彼らのファーストボトルのオンライン販売が、このたび英国国内で開始された。熟成はまだ3年を経ていないので、中身はもちろんウイスキーとは呼べないニュースピリットだ。価格は38.8ポンド(約5,400円)、500本限定で容量は500ミリリットルだとのこと。オフィシャルサイトで購入できる。頼めば日本まで送ってくれるのかどうか気になるところではあるが、現在問い合わせ中だ。
今月の16日にはグラスゴーにあるマクソーリーズというミュージックバーで、アビン・ジャラク・スピリットの試飲会が開かれた。同蒸留所の創業者でオーナーのマーク・テイバーン氏立会いのもとで行われたとのことで、準オフィシャルな試飲会と考えることもできる。ニュースピリットの詰められた30リットルの小さな樽が店に持ち込まれ、参加者は鏡板に取り付けられた蛇口から直接グラスにそそいでテイスティングしたという。YouTubeにもその様子を収めた動画がアップされている。最初に挨拶をしているのがテイバーン氏だ。親しい人々からはマーク(Merk)ではなくマルコ(Marko)の愛称で呼ばれている。
蒸留所があるのは、ルイス島の西岸に位置するカーニッシュ村。この島の正反対の東岸には、最大の港町であるストーノウェイがある。ストーノウェイでは、かつてショーバーン(Shoeburn, 1829-1840頃)という名の蒸留所が操業していた。ルイス島に蒸留所ができたのそれ以来で、およそ170年ぶりのことだ。ただし、それはライセンスを取得した公認蒸留所の話で、10年くらい前までは密造が普通に行われていたとテイバーン氏はいう。ちょっと驚きだ。
またアビン・ジャラクは、現在スコットランドでもっとも西に位置する蒸留所でもある。2005年に、ブルイックラディに代わってもっとも西に位置する蒸留所となったのはキルホーマンだったが、わずか4年でその座をアビン・ジャラクに譲った。ちなみに、バラ島にアイル・オブ・バラ蒸留所(残念ながら計画が頓挫している可能性が高い)がもし完成したら、最西端の蒸留所はまた替わることになる。
それにしてもマイクロディスティラリーとはいえ、着実に準備をすすめしっかりと創業までこぎつけたアビン・ジャラクは立派だ。いや褒められるべきは、テイバーン氏か。単純な比較はできないが、派手に宣伝し多くの資金をかき集めておきながら長期にわたって足踏みしているブラックウッドやレディバンクなどとは、まるで正反対の印象を受ける。どんな素晴らしい計画でも、絵に描いた餅で終わっては何の意味もない。
ホームページを頓挫して早くも五年が経過したが、アビンジャラク以外は、イングランドの一つがシングルモルトをリリースするに終わる結果で、ヴェンチャーの口だけ攻撃も鳴かず飛ばずだ。
そういう意味では、フランスの躍進は興味深い。
ブルターニュのグラン・アー・モーは、コルノグをリリースして、ラガヴーリン愛好家なな僕に嬉しい誤算を齎した。
これは、かつて、アイルランドのクーリーがコネマラで齎しらた喜び以上のプレゼントだ。
ダフトミルも興味津々だが、また、ローランドの新たな復興の蒸留所も興味深いが、スコットランドはイングランドに出し抜かれて、キルホーマンを除けば本歌取りを他に奪われた状況にあった。
如何にブルイックラディがウルトラヘビーピートなモルトを創ろうと、ハウススタイルは変えられない。
そう言う意味で、アビンジャラクの登場は、モルトマニアの嗜好を激しく振動させるのだ!