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あまり話題にならなかったが、昨年末のエディンバラ国際空港の免税店の売り場リニューアルを記念し、アバフェルディのカスクストレングスのオフィシャルボトルが免税店限定販売でリリースされた。このアバフェルディだが、1997年ヴィンテージの18年物で、なんとシングルカスクである。248本限定(実際には260本分とれたらしい)で、価格は250ポンドだ。免税店限定の商品ではあるが、オンラインショップでプレオーダーすることも可能だ。このアバフェルディのような限定品は、プレオーダーしておけば完売を憂えることなく現地に赴ける。
この度のアバフェルディ・シングルカスクのリリースは、バカルディ社とバカルディ・グローバル・トラベル・リテール・ディヴィジョン社、そしてワールド・デューティ・フリー社の3社共同で実現したものだ。樽のチョイスはデュワーズのマスターブレンダー、ステファニー・マクロード女史、ワールド・デューティ・フリーのマーク・リッチーズ氏とニゲル・サンドルズ氏の3名が行い、販売はバカルディ・グローバル・トラベル・リテール・ディヴィジョン社がイニシアチブをとった。
ステファニー・J・マクロードさんは、ブレンデッドの名門デュワーズの7代目のマスターブレンダー。同社の160年の歴史の中では唯一の女性マスターブレンダーで、官能分析と熟成学のエキスパートだそうだ。
バカルディ・グローバル・トラベル・リテール・ディヴィジョン社は、ヨーロッパ旅行者を支援することを目的に、バカルディ社から独立した法人として2006年に設立された組織。ワールド・デューティ・フリーは英国内の8つ国際空港(ヒースロー、ガトウィック、スタンステッド、シティ、バーミンガム、マンチェスター、グラスゴー、エディンバラ)を主軸に免税店事業を管理運営する組織で、BAA(英国空港公団)が100%出資する子会社だ。
現在、アバフェルディのオフィシャルボトルのラインナップは12年と21年のみで、いずれもアルコール度数は40%だ。加水されてなお46%というボトルも増えている昨今、このラインナップは、シングルモルトファンにとってはあまりに物足りない。今回のシングルカスクのリリースは、単発とはいえ嬉しいニュースだが、あまりシングルモルトの販売に積極的でないバカルディ社のこれまでの動向を考えるなら、このようなボトルのリリースはこれっきりという可能性はある。
※内容に一部誤りがありましたので、加筆訂正いたしました。(4/26 21:50)