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メジャーなブランドほどフェイクがたくさん出回るというのは、ウイスキーも例外ではない。ブレンデッド・スコッチのジョニーウォーカーなどは、その代表格だと言えるだろう。贋物商品を大別すると、本物そっくりに作ったコピー商品と、スペルやデザインの一部を変えたパロディ商品とがある。コピー商品には強い悪意を感じるし、これはもう弁明の余地なくアウトだ。。
しかしパロディ商品の造り手たちには、私たちが受け取る悪意に見合うほどの罪悪感はないこともあるらしい。そうでなければ、堂々とウェブサイトで宣伝するようなまねはしないだろう。その図太い神経にはまったく恐れ入るし理解しかねるものがあるが、国民性や文化の違いによるものだと考える以外ないのだろうか。
パロディ商品にはそのセンスの良さ(悪さ?)に、思わずくすっとさせられるものもある。ここで紹介するジョニ赤のニセモノ、「Johnnie Worker Red Labial (ジョニーワーカー・レッドラビアル)」もそのひとつだ。
この贋ジョニ赤は、今年の5月末に書かれたジャロッド・D・カリー氏のブログ記事を発端に、その存在が広く知られるようになった。そのネーミングの面白さ故か、たくさんのブログでネタにされたようだ。なお同じメーカーのものかどうかは不明だが、ジョニーワーカーのブラックラビアルもちゃんと存在する。
さてこのレッドラビアル(連呼するのはやはり恥ずかしい・・・)だが、中身はなんとワインだという。メーカーのウェブサイトには、原料はブドウでアルコール度数は7%だと書かれてある。ちょっと興ざめであるが、同時にそのアバウトさには何故だか好感が持てる。
このメーカーの商品群は突っ込みどころ満載で、大いに楽しませてもらえる。極めつけは、何と言っても「ブドウから作ったレアモルトウイスキー」だろう。いや、確かにいろんな意味でレアであることは間違いない。独自のルールでウイスキーと呼ぶことも、百歩譲っていいとしよう。だが、「モルト」という表記はどう取り繕っても虚偽だろう。ただ、すべての商品の説明としてブドウが原料だと記されているので、もしかしたらこのサイトの誤記の可能性はある。実際はモルトウイスキーなのかも?
ウェブサイトの作りにはなかなか力が入っているが、商品画像が意味もなくGIF形式だったり部分的にレイアウトが崩れていたりと、これまた突っ込みがいがあり期待を裏切らない。
しかし、そんなことで笑ってばかりもいられない。言うまでもなくウイスキーは人の体に入るもの。怪しげなフェイクウイスキーなどは以ってのほか、言語道断だ。2003年には高い濃度のメチルアルコールが含まれているジョニ黒の贋物が見つかり、ニュースにもなった。また昨今では我が国でも食品偽装の事件が急増しており、贋物を見分ける知識と嗅覚が益々必要とされる時代になりつつあることをひしひしと感じる。
今年の2月7日に「ボウモア1964、黒・白・赤の3部作?」という記事を書いたが、第2弾のホワイト・ボウモアのレビューを「モルトアドヴォケート」のジョン・ハンセル氏がブログに書いているので紹介しようと思う。
ハンセル氏によれば、「バーボン・バレルで熟成されたボウモアの中では、過去15年に渡っていくつかリリースされたどの超熟(ultra-mature)ボウモアよりも美味しいですね。オークの風味は終始感じられるのですが、支配的ではありません。
またブラック・ボウモアとは、明らかに共通する特徴があります。特に強く感じられるのが果物のニュアンス、瑞々しい果実の風味です。桃、タンジェリン、マンゴー、熟したメロン、そしてパイナップル。ウイスキーそのものにも柔らかく穏やかな要素があり、パンケーキシロップやオレンジケーキ、ホワイトチョコレートの風味によってより甘さが増しています。
土っぽい煙とともに現れる重厚なオークの風味は、キャラクターに深みを与えつつ味わいのベースとなっています。煙とオークの香りはフィニッシュで長く後を引き、思わず言葉を無くすほどです。一言でいえば魅惑的なウイスキーなのですが、ブラック・ボウモアの素晴らしさにはちょっと及びません。」とのこと。
この43年物のボウモア、アウトターンは732本で発売は10月を予定しているらしい。さて気になるのはやはり価格だが、6,000米ドル(約3,000ポンド、660,000円)だという。昨年に出たブラック・ボウモアが2,000ポンドだったから、単純計算でおよそ1.5倍だ。この調子だと、来年にリリース予定のレッド・ボウモアの価格は予想するのも怖いが、5,000ポンド(約1,000,000円)くらいの値はつけられるかもしれない。
※上の画像は私の想像で作った合成写真です。本物ではありません。
シングルモルトをベースにしたカクテルが、「ウイスキーファン(Whiskyfun)」で2つほど紹介されている。ミクソロジストのステファン・クライン氏が、ウェブサイトの管理人セルジュ・ヴァレンティン氏のために考案したカクテルだとのこと。そのうちのひとつが、レシピがクレージーであるばかりでなく二人のコメントも笑えるので紹介しようと思う。以下はそのレシピだ(分量はダブルサイズ)。
『セルジュ・スペシャル・ウイスキー・ファン』
●クラインリシュ14年(OB)・・・60ml
●ホワイトミントリキュール(GET 31とか)・・・10ml
●パイナップル&グァバジュース・・・30ml
●ライムジュース・・・30ml
●醤油・・・1/2ティースプーン
氷と以上の材料をシェーカーに入れ、20秒間シェイク。
グラスに注いだら、スライストマト1/2枚、スライスレモン1枚、
ピクルスとパールオニオンを1個ずつ加え、
新鮮なアサツキを一つまみ、粉末の生姜もしくは白胡椒を一つまみ、
アンゴスチュラビター2~3滴を最後にトッピングして出来上がり。
【クライン氏のコメント】
ちょっと変わった味を試してみたい方のためのカクテルです。口に含んだとたん広がる「とても風変りな風味」をもしクリアできたなら、このカクテルはとても異色な素晴らしい食前酒になります。オフィシャルの14年物の代わりに、他のクラインリシュを使うのもいいでしょう。ブローラで作るのもありです。またフルーツジュースも、いろいろなものを試してみてください。ニンジンやキュウリなど、あなたのお好きな生野菜を添えるのもいいですね。他にはペパローニ、タバスコ、ウスターソース、セロリソルト、パプリカ等々・・・。またトマト・ジュースのしぶきを加え「血のセルジュ・スペシャル」に変えてしまうのもいいでしょう。
【ヴァレンティン氏のコメント】
あはは、参ったなあ。まあできれば試してみますけど、リチャード・パターソン氏ならきっと「ブローラでこんなカクテルを作ったら、あなたを殺しに行きます。」なんて言いそうですね。ステファンは、たくさんのクレイジー・サマー・カクテルをこれからも続々と私のために考案してくれるそうですが、私はずっとこんな感じで唖然とさせられるのでしょう。
従来のカクテルの常識にとらわれないアイデアは、とてもユニークで斬新だとも言える。醤油を加えるというのもすごい。しかしカクテルというよりはむしろサラダ、もしくは料理だとも言えそうだ。試すにはかなりの勇気が必要だろう。なお「ブローラで作ったら殺す。」という意見には、私も賛同する(笑)。
7月14日付けのデイリー・レコード紙に、ディアジオ社がとある実験に取り組んでいるという記事が載った。ウイスキーの風味を変えずに、「天使の分け前」を節約するというのだが・・・なんと、ポリエチレン製のラップを樽に巻くのだという。(!) あまりにも単純で、ちょっと拍子抜けしそうだ。
しかしディアジオほどの大企業の取り組みである以上、それなりの成算も狙いもあるのだろう。実験の結果は「科学者たちを驚かせるものだった」そうで、ウイスキーの風味にも変化は見られなかったという。
しかし、この記事にはそれ以上の情報がまったく書かれていない。科学者たちがどの点にどう驚いたのか、もう少し詳しく知りたいものだ。
ディアジオ社のスポークスマンによれば、「今の段階では、この技術の有用性が証明されたことにはなりません。私たちはまだ研究を継続中です。」とのこと。検証には時間も掛かりそうだ。続報を待ちたい。
LVMH社(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)がグレン・マレイ蒸留所を、ぺルノー・リカール社がグレンドロナック蒸留所を、それぞれ売却する意向であるというニュースが先日立て続けに流れた。いずれも現在はまだ買い手が決まったという発表はなされていないが、ある情報筋によればグレンドロナックの売買交渉はすでに最終段階であるという。
LVMH社はグレン・マレイ蒸留所を手放すのではないだろうかという憶測は、グレンモーレンジ社を買収した当時すでにまことしやかに囁かれていたのだが、果たしてその通りになった。一部の報道によれば、ホワイト&マッカイ社を傘下に置くユナイテッド・ブリュワリーズ・グループが、グレン・マレイに対し食指を動かしているとのことだったが、その後続報は聞こえてこない。
アライド時代に1995年から2002まで操業を停止していたグレンドロナックは、2005年にぺルノー・リカール社の手に渡った。多くのシーバス系蒸留所が買収されたのちに操業停止に追い込まれたことを思えば、グレンドロナックの扱われ方は不遇とまでは言えまい。しかし現在、常時製造されているのは「オリジナル12年」の一種類だけだ。ボディは軽くシェリーのニュアンスも希薄で、往年のグレンドロナックらしさは私には感じられない。この蒸留所は古くからのファンも多く、人気のあるシングルモルトとして名を馳せた時期もあったが、その面影は今やまったくない。
まあどこが買収したにせよ、これまでよりもいい状況で新たなスタートを切ってくれたらと切に思う。特にグレンドロナックには、かつてのような勢いを取り戻して欲しいと強く願わずにはいられない。