エムズ・ウイスキー・ダイアリー ザ・ラスト・ヴァッテドモルト
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last-vatted-malt-bottle1-328x1023.jpg今月の23日ウイスキーメーカーのコンパス・ボックスが、ザ・ウイスキー・エクスチェンジのスキンダー・シン氏の協力を得て開発した新商品、ザ・ラスト・ヴァッテドモルトをリリースした。なぜ「ラスト」なのかというと、スコッチウイスキーの新たな法律によって、“ヴァッテド”という表現の使用が11月22日をもって規制されたからだ。11月23日以降にボトリングされるウイスキーのラベルや関連の印刷物、ウェブなどで、ヴァッテドモルトはすべて“ブレンデッドモルト”と言い換えることが義務付けられた。

英国で、スコッチウイスキーを定義する新たな法律が施行されたのは、一昨年の11月23日のこと。ヴァッテドモルトやピュアモルトといった法定外の表記は使えなくなることが決まったが、ラベルなどの表示変更には2年間の猶予が設けられた。今月の22日にその期限を迎えたわけだ。

今回の法律改正の発端となったのが、2003年のいわゆる「カードゥ=ピュアモルト論争」だ。これはディアジオ社がカードゥとグレンダランのヴァッテドモルトを、シングルモルトと同じ「カードゥ」のブランド名で発売し、もめごとを起こした一件。ラベルにはシングルモルトではなく、定義の曖昧なピュアモルトと記されていたため、「紛らわしい!」といった戸惑いの声があがり大きな論争を呼んだ。最終的には同社が当該商品をすべて回収し、この件は一応の決着を見る。しかし事態を重く見たスコッチウイスキー協会は、翌年に法律改正に向けた活動に着手した。

さてこのザ・ラスト・ヴァッテドモルトのスペックだが、ノンチルフィルタリングのカスクストレングス(53.7%)、1323本限定で価格は175ポンドだという。気になる中身だが、22%がファーストフィルのシェリー樽で寝かせたスペイサイドモルト36年もの(1974年ヴィンテージ)で、残りはアメリカンオーク・ホグスヘッドのアイラモルト26年もの(1984年ヴィンテージ)だとのこと。蒸留所名は明かしていないが、推測できるヒントを出している。スペイサイドは「アベラワー村にある2つの蒸留所のうちの若いほう」、アイラは「アスケイグ港のある村の有名な蒸留所」だとのこと。アイラはカル・イラに間違いないが、スペイサイドはちょっと考えてしまう。2つの蒸留所は恐らく、アベラワーとグレンアラヒーだ。住所にアベラワーと付く蒸留所は他にもいくつかあるが、「アベラワー村の蒸留所」といえばこの2つをはずすことはできない。となると、スペイサイドモルト36年ものの正体はグレンアラヒーだと推測できる。

なお同時に、ザ・ラスト・ヴァッテドグレーンもリリースされている。こちらの中身は、31%がインヴァーゴードン1965(42yo)、14%がカースブリッジ1979(29yo)、20%がポート・ダンダス1991(20yo)、そして35%がキャメロンブリッジ1997(14yo)となっている。これはこれで興味深い。297本限定で、価格は125ポンド。

日付が変わる間際、こんな催しも行われたようだ(笑)。

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自己紹介:
 1990年頃、スコッチウイスキーの魅力に開眼、次第に傾斜を深めていく。1998年、ウェブサイト「M's Bar」を開設、書き溜めていたシングルモルトのテイスティングノートを公開。2005年、ウイスキー専門誌「THE Whisky World」の発足メンバーに。現在は、試飲のできるリカーショップ「M's Tasting Room」の運営に携わり、ウイスキー関連のイベントでは講師やアドバイザーなども務める。著書に『うまいウイスキーの科学』(ソフトバンククリエイティブ)など。
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