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| Distilled | 12.Feb.1992 |
| Bottled | 14.Aug.2012 |
| Age | 20yo |
| Alc. | 55.7% |
| Bottles Released | 360 |
| Cask Number | 17165 |
| 6634 | 1969 |
エドリントン・グループ社が、タムドゥ蒸留所の生産をストップしたのが2010年のこと。昨年6月にイアン・マクロード社が同蒸留所を買収したが、来年の2013年にはいよいよ操業を再開するという。イアン・マクロード社は2003年にもエドリントン・グループ社からグレンゴイン蒸留所を買い取っており、これで運営する蒸留所は2つになった。
タムドゥといえば、一時代前の製麦方式であるサラディン式モルトティングにこだわっていた蒸留所として知られる。このサラディン式というのは19世紀にフランス人のチャールズ・サラディンという人物が発明した製麦法で、長さ50メートル、深さ1.5メートル、幅3メートルほどのまるで細長いプールのような箱形のスペースに大麦を入れ、網目状の床から空気を送って撹拌する仕組み。スコップなどを使って人力で撹拌する伝統的なフロアモルティングとくらべ、効率面が大幅に改善された。
このサラディン式は多くの蒸留所で採用されたが、1980年代前半にタムドゥ以外ではすべてが撤廃されてしまった。それを機に自家製麦を廃止した蒸留所も少なくない。自家製麦が廃れた理由は、1960年代から1970年代にかけて登場したモルトスターと呼ばれる製麦業者に、麦芽づくりを委託するというやり方が主流になったため。モルトスターではサラディン式ではなく、ドラム式という低コストで大量生産が可能な新しい製麦方式を導入していた。そのためコストのかかる自家製麦を廃止し、外注する蒸留所が続々と現れた。
よってタムドゥが復活しても、サラディン式モルトティング、ならびに自家製麦は撤廃されることが予想される。コストのかかる物を、わざわざ甦らせる理由はどこにもない。エドリントン傘下の時代には、同系列の他蒸留所(グレンロセスやマッカラン、ハイランドパーク等)に麦芽を供給する役割を担っていたが、すでにその必要もなくなっている。前時代のウイスキー産業を象徴するものがまたひとつなくなることは、コアなウイスキーファンにとっては残念なことだろうが、まあ仕方がない。ちなみにサラディン式モルトティングだが、決して絶滅したわけではなく、その命脈は今日でも細くはあるが保たれている。べリックのシンプソンズ・モルト社やバッキーのグリーンコア社のような大手モルトスターでは、改良が加えられた新型サラディン式モルティングで少量だが麦芽が製造されている。
ブルイックラディのマネージングディレクターであるマーク・レイニア氏によれば、英国地質研究所が出版する『Whisky on the Rocks』という本に、ブルイックラディのウイスキーは「南米の岩のエキスが含まれている」と書かれているらしい。どういうことかというと、ブルイックラディ蒸留所があるアイラ島南西部のリンズ地方の地質は、18億年前に形成されたもので南米大陸の地質と同じものだからだという。
かつて今より海面のレベルが高かった頃、アイラ島はインダール湾とグルーニアートの入り江が繋がっていたと考えられている。すなわち現在のアイラ島は、2つの島が陸続きになりできあがったというわけだ。グルーニアートを境に西と東では地質も異なっており、岩の間を流れる地下水の質もアイラ島の西側と東側では微妙に違っている。
ジュラ島を含む東側は、6~8億年前のカレドニアン造山運動によって形成された背斜(地層が褶曲して山形になっている部分)で、地質はダルラディアンと呼ばれる変成岩(いったんできた岩石が熱や圧力などの作用を受け、構成する鉱物の組み合わせ構造が変化したもの)。一方西側の陸地の形成時期は18億年前まで遡り、地質は角閃岩と堆積砂岩だ。角閃岩も東側のダルラディアンと同種の変成岩だが、堆積砂岩は学術的には変成岩とは区別され堆積岩というカテゴリーの砕屑岩に分類される。砕屑岩は火山由来以外の成分(砕屑物)が堆積したもので、明らかに変成岩とは組成が異なる。
また東側のダルラディアンと西側の角閃岩はどちらも変成岩だが、その歴史は3倍ほども違う。岩の間を流れる水の質が、まったく同じだとは思えない。隣接した場所でなぜそういう現象が起きるのかは、現在広く信じられているプレートテクトニクス(大陸移動説)で説明できる。
18億年前、地球には第3次ウル大陸(現在の南アフリカ、北インドなど)、ローレンシア大陸(東南極、北米、グリーランド、シベリア、スカンジナビア半島など。別名ニーナ大陸)、アトランティカ大陸(南米、中央・北西アフリカ)の3つの大陸が存在した。10億年前にこれらの3大陸は合体し、地球史上初めての単一の超大陸ロディニアを形成、6億年前にはバルティカ(ヨーロッパ)、ローレンシア(北米、グリーンランド、北スコットランドなど)、ゴンドワナ(アフリカ、南米、インド、南極、オーストラリア、アラビア半島、マダガスカル島など)の3大陸に再び分裂。そのときアイラ島の東側を含むスコットランド北部はローレンシア大陸に、ブルイックラディのある西側はゴンドワナ大陸に分断されたのだという。その後、ローレンシア大陸とゴンドワナ大陸は再び衝突し、カレドニアン造山運動が誘発され、東側のダルラディアン変成岩が形成された。
ブルイックラディ蒸留所の仕込み水は、詳しく明かされておらず「背後の丘にある貯水池の水」としか公表されていない。レイニア氏によれば低い丘の泥炭層の沼地から引く水だそうで、岩盤の影響は受けていないという。しかしボトリングの際に加水する水は、堆積砂岩と片麻岩の間を流れてくるダーティ・ボッティの湧水を利用している。すなわち加水タイプのブルイックラディには、南米と同じ18億年前の岩のエキスが含まれているといえるのだ。
発生した「東北地方太平洋沖地震」に
おきまして、尊い生命を失われた方へ
深く哀悼の意を表しますとともに、
被災されました皆様に
心からのお見舞いを申し上げます。
また、全力を挙げて復旧作業に
携われている皆様に深く敬意を
表しますとともに、被災地域の一日も早い
復興を心から願っております。





