エムズ・ウイスキー・ダイアリー 日々の泡
Whisky topics covered by M's Bar
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Spinning Roulette Whisky Tumbler from FindEatDrink on Vimeo.


コマのように回るウイスキーグラス。
あれれ、どうなってるの?と思ったら、下面の中心にわずかな膨らみがついているようだ。

Kilchoman.jpgスコッチ文化研究所のウェブサイトに、「ザ・テイスタールーム」という新しいコーナーができた。このコーナーでは、『THE Whisky World』で執筆している4人のテイスター達が綴った、ウイスキーの最新ニュースやエッセイ等を公開していく予定だという。

先日、「キルホーマン、オープンデーにオークション」という記事をアップしたので、ご興味があればご覧いただけたらと思う。

明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

festival2009.jpgmixiにも書いたが、今月の24日にスコ文研主催の ウイスキーフェスティバルが開かれる。小会場の4こま目のトークセミナー、 「ザ・テイスター座談会」では私も出演するのでここでも宣伝をさせていただこうと思ったのだが、残念ながらこのセミナーのチケットは昨日完売したとのこと。 お買い求めくださった皆さんには、厚くお礼を申し上げたい。

さて、その代わりというわけではないのだが、来月の座談会形式のセミナーの案内をさせていただこうと思う。、これは、本来は資格認定試験の受験者のための講座なのだが、受講資格はとくに問われていない。まだ定員枠にも余裕があるようなので、ご興味のある向きにはお気軽にご参加いただけたらと思う。

テイスティング専科
  講 師: 谷嶋元宏・吉村宗之・土屋 守
  日 時: 2009年2月28日(土)15:00~16:30
  会 場: 飯田橋レインボービル 中会議室 
         東京都新宿区市谷船河原町11番
         Tel. 03-3260-4791

gilnockie_tower.jpgかつてローランド地方にラングホルム(Langholm)という蒸留所があった。1765年に創業し、1917年には閉鎖されている。この蒸留所については、アルフレッド・バーナード氏の著書「THE WHISKY DISTILLERIES OF THE UNITED KINGDOM (1886)」の中にも書かれているのだが、その記事の中に『バーチ・ウイスキー (Birch Whisky)』というちょっと聞きなれない言葉が出てくる。当時のラングホルム蒸留所のマネージャーが、その秘伝の製法を父親から受け継ぎ、このバーチ・ウイスキーなるものを造っているとバーナード氏に語ったというのだ。

バーチとは“樺 (かば)”のことだ。樺のウイスキーとはいったい何なのだろう。樺材で作られた樽で寝かされたウイスキーのことでは?と、おそらく最初は誰もが考えるのではないだろうか。しかし調べてゆくうちに、この木の材質はどうやら酒樽に向いていないということがわかってきた。だとすれば、細かいチップ等に加工し、風味づけに使用したということも考えられる。だが、はたして樺の木の風味は、ウイスキーと合うのだろうか・・・?

樺とウイスキーの相性なら、実際に樺材をウイスキーに浸してみればわかることだ。ちなみに樺の木のエキスには薬効があるという。「バーチバーク (barkとは樹皮のこと)」の名でハーブティーが販売されているので、これをウイスキーに浸してみようと思い立った。また同名のエッセンシャルオイルも世の中にはある。エッセンシャルオイルなら、瞬時にウイスキーとの相性が判断できる。幸いどちらも入手することができた。さっそく実験である。

ベースに使うウイスキーにはボトラーズボトルのローズバンク16年(56.5%)、それとオフィシャルボトルのグレンキンチー10年(43%)の2種類をチョイスした。ローランドモルトを選んだのは、ラングホルムのウイスキーの味になるべく近づけたかったからというのもあるが、むしろニュートラルなスコッチの風味との相性が知りたかったからという理由の方が強い。第一、バーチ・ウイスキーはブレンデッドウイスキーだった可能性だって充分ある。加えた分量だが、ハーブティーはウイスキー50ミリリットルに対し大さじ1杯ほど、エッセンシャルオイルはウイスキー400ミリリットルに対し1滴とした。4つのサンプルは密閉し、常温で24時間放置した。

b24e8e46.jpgさて実験結果だが、いずれのサンプルにも同じ系統の特徴的な香りがしっかりと付加された。私は真っ先に膏薬を連想した。そしてヘアトニック、レモングラス、森林等を思わせるアロマが次々に現れる。余談だがヘアトニックといえば、昔「ミスタア・ロバーツ」という映画で、薬用アルコールをコーラで着色し、ヨードチンキとヘアトニックで風味をつけてスコッチの偽物を作るという場面があった。そんなことを思い出し思わず苦笑。

ちなみに後からわかったことだが、バーチバークには抗リウマチ、関節炎の緩和などの効能があるそうだ。かつてカナダのイヌイットが治療に用いていたともいう。「真っ先に膏薬を連想した」私は、思わずほうと唸ってしまったのだが実際に関係あるかどうかはわからない。

極めて個性的ではあるが、バーチ・ウイスキーの香りは決して悪いものではないとも思う。しかし、ウイスキーと樺の木が合うかどうかという問いに対しては、普及しなかったという事実がすべてを物語っているのではないだろうか。

11042250.jpg春から初夏への移り変わりを肌で感じる昨今、ハイボールがことのほか美味しい。

ハイボールというカクテルは広義ではあらゆる酒をソフトドリンクで割ったものらしいが、一般的には蒸留酒をソーダやトニックウォーターなどの炭酸飲料で割ったものを指す。特に日本ではウイスキーをソーダで割ったものをハイボールと呼ぶことが一般的だ。語源に関しては諸説あるが、ゴルフ用語に由来するという説はよく聞く。

ウイスキーとソーダ、そして氷だけという、極めてシンプルなレシピがこのカクテルの特色でもある。しかしシンプルであるが故に、ちょっとした違いや作り方のコツが味を左右する。ではどのように作れば、美味しいハイボールになるのだろうか。

近頃サントリーニッカがブロガー向けのイベントに力を入れているが、特にサントリーは旬であるハイボールのレクチャーを盛んにおこなっているようだ。山崎蒸溜所のオフィシャルブログには、「教えます!“すごいハイボール”のつくりかた」なんていう記事も載っている。この記事の中に、あまり一般的には知られていないかもと思われる記述があったので紹介しておこうと思う。要約すると、「アルコールと水(氷)が混ざると化学反応によって熱(希釈熱)が発生し、グラスの中の温度が上がってしまう。なのでその発熱を考慮に入れ、ソーダを加える前に氷でウイスキーをしっかりと冷やしてやることが大事なポイント。」なんだそうな。美味しいカクテルを作るためには、どうやら化学の知識までも必要とするらしい。

ウイスキーの種類によってもハイボールの性格は変わってくる。いろいろな意味で両極端なのが、スコッチとバーボンだ。スコッチウイスキーの繊細な風味は炭酸にかき消されてしまうケースも多い。スコッチのハイボールは、ベースの選択によっては美味しくも不味くもなる奥の深いカクテルだ。経験的に言うと、風味が比較的ニュートラルで個性の突出していないスコッチが、ハイボールには合う。他方バーボンをベースにすれば、適当な銘柄で適当に作っても大体は美味しくできあがるから不思議だ。

ハイボールに限らず、スコッチでカクテルを作るのは難しい。知名度・人気ともに高いスコッチのハイボールではあるが、ウイスキーを主役と見た場合、ストレートの美味しさを超える味には決してならないと、私は思っている。スコッチというのは、気難しい酒なのだ。スコッチのハイボールは、スコッチとは別の飲み物だという位置づけを私自身はしている。

にもかかわらず、喉の渇きを癒したいときに、スコッチのハイボールに食指が動くことがままあることもまた事実だ。バーボンやその他の大味なウイスキーでは出せない、ドライで上品な味わいを楽しめるからである。

なお、美味しいハイボールを主観的に定義するなら、“濃くて、よく冷えている”ものだ。ウイスキーの分量は、できればダブルでいただきたい。ただし濃さについては、好みがあるだろうから一律に「ハイボールの美味しさ」を定義することは難しい。各々にあった濃さを見つけて欲しいと思う。

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【プロフィール】
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MUNE
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性別:
男性
自己紹介:
 1990年頃、スコッチウイスキーの魅力に開眼、次第に傾斜を深めていく。1998年、ウェブサイト「M's Bar」を開設、書き溜めていたシングルモルトのテイスティングノートを公開。2005年、ウイスキー専門誌「THE Whisky World」の発足メンバーに。現在は、試飲のできるリカーショップ「M's Tasting Room」の運営に携わり、ウイスキー関連のイベントでは講師やアドバイザーなども務める。著書に『うまいウイスキーの科学』(ソフトバンククリエイティブ)など。
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