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「ウイスキー」をメインテーマにしたブログのリンク集 [Whisky Blogs] を、ツリー型のメニューにして M's Bar のトップページに埋め込んでみた。国内外を問わず、またプロ、アマチュアに関わらず、これぞというサイトを随時紹介していきたいと思っている。先月のリニューアルひと段落からほぼ1か月ぶりの大きな更新となるが、この度「M's Whisky Diary」をサイトのメインコンテンツに据えたことに伴い、取り急ぎ設置してみた。

また新たに、ウイスキーファンのためのブログポータルサイト「ウスケバ」と相互リンクを張らせていただくことになった。サイトを管理されている太田さんには、5年ほど前にお会いして以来何かとお世話になっている。

リニューアル後は [Old Contents] のカテゴリーに追いやってしまった「World Web Navi」のページだが、折を見て充実させていこうかとも考えている。どなたでも登録できるシステムにしてあるので、大勢の方々にご協力いただけたら嬉しく思う。ただ、登録は酒に関係のあるサイトのみと断わっているにも関わらず、アダルトサイトの登録が後を絶たず頭が痛い。

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Master_map.jpgディアジオ社がシングルモルトスコッチの「フレーバー・マップ」なんてものを作っているらしいという話はあったのだが、先日それが公開された。このマップ、縦軸には「デリケート⇔スモーキー」を、横軸には「ライト⇔リッチ」を指標にしてあり、ウイスキーライターのデイブ・ブルーム氏の協力を得て作られたとのこと。

早速ざっと拝見したが、シンプルでとてもわかりやすい。ただし蒸留所のハウススタイルがマッピングされてあるわけではなく、あくまでもスタンダード商品の分析マップである。汎用性に欠けるとの意見も出そうだが、むしろ分析の基準が曖昧なものよりは遥かにいいと個人的には思う。また外枠には琥珀色の濃淡までが表わされているが、これは残念ながら実用性に乏しい。

なお画期的なのが、ディアジオ社の所有でない蒸留所までが載せてある点だ。最大手であるが故の余裕なのか、はたまた企業の枠を越えスコッチ業界を盛り立てようという意図なのか、もしくは中立な立場にあるブルーム氏がその点を強く主張した可能性も考えられる。いずれにせよその英断には拍手を送りたい。

1年以内に8,000以上の酒販業者がこのフレーバー・マップを入手して利用するだろうとディアジオ社は見込んでいるらしいが、ファンや業界関係者にとっても必携のアイテムになることは間違いない。

Clouds_Bressay_home.jpgスコットランド最北端の地シェットランド諸島に、新たな蒸溜所が建設されるとのニュースが伝えられたのが2002年のことだった。蒸留所の名はブラックウッド。当初の予定では2003年に操業を開始するとのことだったが、それからはや4年が経った。操業どころか、蒸留所の建造に着工したという話さえとんと聞こえてこない。

black2.jpg昨年の11月にニューヨークで開かれたチャリティー・オークションで、650ドル(約7万円)の値段がついた8年物のヴァッテド・スペイサイド・モルト「マックル・フラッガ(Muckle Flugga)」も今年リリースの予定だが、未だにアナウンスはない。

そんなこんなでブラックウッド関連のニュースが絶えて久しい昨今だったが、ようやく最新のニュースが先日届いた。以下に昨年以降の様子を時系列に沿ってまとめてみた。

  • 2006年夏
    ・ブラックウッドの財務担当者が辞任。
  • 2007年早々
    ・アンスト島の北端にあるRAF(イギリス空軍)の基地跡に建設予定地を移す計画は、最終的な合意に至らなかった。
  • 2007年3月
    ・アンスト島への建設予定地変更計画の頓挫を正式に発表。
    ・ブラックウッドの新財務担当者、蒸留所が増益を達成したと発表。のちに蒸留所での職を辞任。
  • 2007年3月30日
    ・地元紙の「ザ・シェットランド・タイムス」においてホウィットフィールド女史がカトファース計画について言及。
  • 2007年9月下旬
    ・ホウィットフィールド女史が自身の離婚に絡む財政上の問題により、計画の見直しを余儀なくされたと語る。
    ・会計検査官、ブラックウッド・グループにおいては負債が資産を上回っているとレポート。女史はこれを真っ向から否定。
    ・ブラックウッド、380人の株主に蒸留所が安泰であること、計画は実行することを知らせるレターを送付。
    ・ホウィットフィールド女史は、「株主たちには十分な情報を開示した。蒸留所はまもなく新しいステージに入るだろう」と強気の発言。
  • 2007年10月
    ・離婚問題に決着がつく予定。

うーむ、建設の遅延理由にはCEOの離婚問題までが絡んでいたとは・・・。

株主の一人は、次のようにコメントしている。「私たちは、地元の発展に関われるまたとないチャンスだと思ったんだ。投資を決めたのは心が動かされたからで、配当を当てにしたからじゃない。でも会社が破産しかねない状況には正直がっかりしているよ。」と。どうやらブラックウッドには自力再生の道しかなく、地元から2度めのチャンスが与えられることはなさそうだ。

bowmore_1.jpg先月の28日にグラスゴーで行なわれたマクティアーズのオークションに出品されたボウモアに、29,400ポンド(約690万円)というスコッチウイスキーの値段としては歴史上最も高い値がついた。個人が出品したもので、想定落札価格の15,000~20,000ポンド(約350~460万円)を大きく上回った。落札者は電話でオークションに参加した匿名の人物だという。ちなみに競りは最後2者の一騎打ちとなったが、敗者はなんとモリソン・ボウモア社だったとのこと。

このボウモア、1850年頃に当時のオーナーだったW&J・マターによって造られたもので、現存する製品の中では最古のものだそうな。しかも経営者のひとりだったウィリアム・マターが引退する際、その記念に彼にプレゼントされたボトルだという曰くつきの品。マター家で代々受け継がれてきたという由緒あるこの一品、出品は代理人によって行なわれたそうで実際の所有者がマター家の血を引く人物だったのかどうかは不明。

ボトルは薄緑色の手吹きガラス製。オリジナルの厚紙の箱に収められている。ここに載せた画像はオークション日より前一週間以内に撮影されたものなのだが、当日は傷んで折損したコルクがウイスキー中に落ちてしまっていたという。もしそのようなアクシデントがなかったら、落札金額は更に競り上がっていたかもしれない。

acc1.jpgウイスキーファンにはあまり馴染みがないと思うが、「プロプリエテール(もしくはドメーヌ)」という言葉がある。元々はワイン用語だが、自家栽培・自家蒸留・自家熟成・自家瓶詰しているコニャックの造り手に対しても用いられる。すなわち製造工程の最初から最後までを手がける生産者ということだ。彼らが造るコニャックはドメーヌ・コニャック、あるいはシングル・コニャックとも呼ばれる。

昨日はさる方からのご紹介があり、シングル・コニャックに関してコメント述べる機会をいただけた。近々、このシングル・コニャックの特集が日経MJ(流通新聞)に掲載される予定なので、ご興味のある向きにはご一読いただけたらと思う。掲載日は追ってお知らせするつもりだ。いや、宗旨替えをしたわけでは決してない(笑)。あくまでウイスキーに携わるものとしての考えを述べさせていただいた。

以前から一部のファンには強烈に支持されていたシングル・コニャックだが、近頃にわかに注目を浴びている。今年の7月には日本コニャック協会も設立され、ファン拡大への静かな胎動を感じる昨今である。当方も、微力ながらお手伝いをさせていただくことになっている。

なお、取材と言えば先日読売新聞にも記事が掲載されたばかりだが、不思議とこういうことも続くときは続くものだ。

追記(10/10):
本日付けの日経MJに掲載されました。

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【プロフィール】
HN:
MUNE
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性別:
男性
自己紹介:
 1990年頃、スコッチウイスキーの魅力に開眼、次第に傾斜を深めていく。1998年、ウェブサイト「M's Bar」を開設、書き溜めていたシングルモルトのテイスティングノートを公開。2005年、ウイスキー専門誌「THE Whisky World」の発足メンバーに。現在は、試飲のできるリカーショップ「M's Tasting Room」の運営に携わり、ウイスキー関連のイベントでは講師やアドバイザーなども務める。著書に『うまいウイスキーの科学』(ソフトバンククリエイティブ)など。
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