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ブルイックラディ蒸留所から、新商品の「レガシー・シリーズ6」が来月にリリースされるとのアナウンスがあった。2002年にシリーズ1がリリースされその後毎年出されてきたこのシリーズだが、なんと今回のシリーズ6がファイナルだそうな。
30年以上寝かせた長熟モルトばかりのラインナップで知られるこのレガシー・シリーズ、オフィシャルサイトに全ボトルの画像とスペック一覧が載っていたのでまとめてみた。6本が並ぶとなかなか壮観である。
■レガシー・シリーズ1
リリース:2002年9月 アウトターン:1,500本
熟成年数:36年 度数:40.6%
■レガシー・シリーズ2
リリース:2003年10月 アウトターン:1,500本
熟成年数:37年 度数:41.8%
■レガシー・シリーズ3
リリース:2004年11月 アウトターン:1,572本
熟成年数:35年 度数:40.7%
■レガシー・シリーズ4
リリース:2005年11月 アウトターン:900本
熟成年数:32年 度数:47.5%
■レガシー・シリーズ5
リリース:2006年10月 アウトターン:1,690本
熟成年数:39年 度数:40.9%
■レガシー・シリーズ6
リリース:2007年10月 アウトターン:1,704本
熟成年数:34年 度数:41.0%
どのボトルもラベルとケースには、スコットランドの自然をモチーフにした絵画が印刷されている。いずれの絵も、スコットランド人の画家フランセス・マクドナルド(1873-1921)の手によるものだ。ただし、シリーズの1と2、そして4は残念ながらすでにソールドアウトだとのこと。
今回のシリーズ6は、1965年と1970年、そして1972年の3つのヴィンテージの6樽(いずれもバーボン樽)がヴァッティングされてボトリングされたものだそうな。価格は200ポンド(約46,000円)。
レガシー・シリーズを打ち切ることについては、古い樽が底をついたためではないと蒸留所はコメントしている。古樽を使った新企画の準備が、すでに進められているとのこと。法定度数(40%)ぎりぎり、もしくは割り込んでしまった樽の救済措置としてレガシーのようなやり方はいわば常套手段なので、新企画がいったいどんなアイデアなのか気になるところだ。
キニンヴィ蒸留所のオフィシャル・シングルモルトが、「へーゼルウッド(Hazelwood)」という名で過去2度に渡ってボトリングされたことをご存じない方も多いと思う。私はいずれも飲んだことがないが、松本にあるパブ「摩幌美」のオーナー堀内氏が実は後者と同じヴィンテージの樽違いサンプルをお持ちだとのこと。先日彼とご一緒させていただく機会があり、その件でお話を伺うことができた。
ボトリングされたのは2001年と2006年。最初のボトリングは、ウィリアム・グラント&サンズ社の創業者ウィリアム・グラントの孫娘であるジャネット・シード・ロバーツの100歳の誕生日を記念して行なわれた。100樽の原酒が(年齢にちなんでか?)ヴァッティングされた20年ものだとのこと。どうやら一般向けに販売はされなかったようで、関係者のみに配られたらしい。アウトターンを知る手がかりは今ないが、ごく限られた本数だったことは想像に難くない。
2度目は、105歳の誕生日を祝って昨年ボトリングされた。度数は52.5%で、アウトターンは1,500本程度。ファーストフィルのシェリー樽で熟成された15年ものである。ごく限られたマーケットにしか出されず、広告も一切打たれなかった。なお、最初の100歳記念ヴァージョンが市販されていないため、こちらのへーゼルウッド105がキニンヴィのファーストボトリングだとした記述もインターネット上では散見される。
キニンヴィの風味ついて堀内氏は、「バルヴェニー蒸留所と同じ敷地内にあり多くの設備を共有するキニンヴィですが、1990年蒸留のものはかなりライトで甘みがあり、私にはむしろグレンフィディックに近いように感じられました。またポットスティルの形が似ているせいか、ダフトミルにも似ているなという印象でした。」とコメントしてくれた。一卵性の姉妹とも言えるバルヴェニーに似ていないというのは面白い。またダフトミルのようだったというのも興味深いコメントだ。
余談だが、へーゼルウッド105について「まったくシェリーの風味がなく、むしろバーボンのニュアンスがある。」といったテイスティングコメントが、WHISKYFUN という海外のサイトの中に書かれてある。上の画像を見る限りでは、濃厚なシェリーっぽさは感じられるのだけど・・・。
追記(9/18):
2001年にボトリングされたへーゼルウッドは、どうやらキニンヴィではないらしいことがわかった。何故なら、キニンヴィ蒸留所の創業は1990年7月。20年物ということはありえないからだ。完全に当方の早とちりだ。申し訳ない!! 100樽からかき集めたということは、恐らくヴァッテドモルトなのだろう。
ウイスキーファンからの信望も厚いインディペンデントボトラーのアデルフィ社だが、最近オフィシャルサイトの中で「Sell us your cask.」と一般に向けて呼びかけている。すなわち「どなたか樽を譲っていただけないでしょうか?」ということだ。
これを読んですぐに思い出したのが、一昨年のウイスキーノーツ(WhiskyNotes #367)に載っていた記事。ドイツのオンライン・ショップ『ザ・ウイスキー・ストア』のマネージャーのホルスト・ルーニング氏が、モルト・アドヴォケイト誌とウイスキーノーツの編集者であるジョン・ハンセル氏に宛てたメーセージが掲載されていたのだが、その内容はインディペンデントボトラーは今後10年以内にほとんどが淘汰されてしまうだろうというもの。特に憂慮すべき点は、一部の弱小ボトラーたちがそのような危機感を全く持っていないことだと氏は強調している。旧M's Whisky Diaryでも関連記事を書いたので、ご興味のある向きはぜひご一読を。
にしてもだ。オフィシャルサイトで、台所の苦しさをつまびらかにする(?)のはいかがなものだろう。もし差し迫っているわけではないと言うのであれば、一般消費者には要らぬ誤解を与えるだけだと思う。諸刃の剣であるどころか、遥かにマイナス要素の方が大きい気がするんだけどねえ。アデルフィは、私も大好きなボトラーだけにちょっと心配だ。
ウイスキーライターのマイケル・ジャクソン氏が、先月30日の夜(現地では朝)亡くなった。心より哀悼の意を捧げ、ご冥福をお祈りする。
彼を知ったのは、かれこれ20年くらい前になる。カクテルや洋酒一般について書かれた「ポケット・バー・ブック」という本の著者として。“世界の酒/カクテル・ガイド”なんていう副題がついている翻訳本だ。彼が書く、ときにはシニカルだったり、ときにはリリカルな、そしてときにはとぼけたユーモアを交えた文章は、なんとも魅力的で斬新に感じたものだ。
1992年、初秋のロンドン。再度彼の著書との出会いがあった。それが「モルトウィスキー・コンパニオン」だ。当時売られていたのは2ndエディションで、最新版(6th)と比べればコンテンツは質・量ともに比べようもないが、この2ndこそが私にとっての正真正銘のバイブルである。
その後ご本人とは何度となくお会いした。いずれの場面もよく憶えているが、2003年のアイラフェスティバルでご一緒させていただいたひと時は忘れ難い。
享年65歳。この世を去るには早過ぎる歳だ。彼が残した功績ははかり知れないが、もっともっと書いて欲しかった。持病を患っていたとのことだが、そのつらさからも開放され、今頃は天使たちから振舞われたウイスキーでも飲んでいるのだろう。
昨年にオランダのフルプルーフ・ヨーロッパ社が発売した、「ニッポン・ウイスキー」を紹介しようと思う。発売元はフルプルーフ社だが、ボトリングしたのは、実はイチローズモルトでお馴染みの肥土伊知郎氏。
リリースされたのは、羽生1988-2006(56.3%)と軽井沢1994-2006(61%)の2種類。アウトターンはそれぞれ408本と204本だが、前者は残念ながらソールドアウトだとのこと。また興味深いのが軽井沢モルトの熟成樽。なんとザ・グレンリベットで使用されたリフィルシェリー樽が使用されている。
さて、やはり気になるのはこの目を引く(やり場に困る?)ラベルだろう。デザインはフルプルーフ社でされたそうだが、日本人の感性じゃ間違いなくこういうウイスキーラベルは描けないよね。しかし、卑俗でありながらジャパネスクな世紀末芸術の匂いもあり(ロートレックに失礼かな? 笑)、眺めていると何とも言えない気分になる。
肥土氏は「このラベルを最初に見せられたときは、私もギョッとしましたよ。なんでもハイランドゲームで日本の女子高生?が並み居る強豪を向こうにまわして活躍している様子なのだそうです。ジャパニーズウイスキーを女子高生になぞらえているのだとか。ちなみにフルプルーフ社のユロン氏とは、スコットランド旅行中にパブで知り合いました。」とコメントしてくれた。