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スコットランド人の探検家、アーネスト・シャックルトン(1874-1922)が南極探検の際に持ち込んだウイスキーが、いまだに南極大陸に残されている。これまでにも発見され回収された記録はあるが、このたびまた新たな発掘作業が行われたという。
彼らが拠点として使用した小屋の床下から、2箱ほどのウイスキー見つかったのは2006年1月のこと。昨年末には発掘が計画され、先日これらのウイスキーが掘り起こされ回収されたと、今月6日付けでAFP通信が伝えた。この小屋はロス島のロイズ岬にあり、シャクルトン卿率いる探検隊が1907年から09年にかけての探検で使ったという。すなわちこのウイスキーボトルは、約1世紀もの間氷の中に埋もれていたことになる。当初2箱だろうと思われていたウイスキーだが、掘り起こしてみたところなんと5箱あったという。そのうちの2箱はウイスキーではなくブランデーだったらしい。あたりはウイスキーの香りが漂い、何本かはボトルが破損している可能性が高いという。しかし液体が揺れる感触もあったそうで無事なボトルもありそうだというが、開けてみるまではわからない。
アーネスト・シャックルトンといえば、南極大陸を横断中に遭難したにもかかわらず、27人の隊員たち全員を奇跡的に生還させた人物としても有名だ。しかしこのときの探検は1914年から17年にかけて行われており、ウイスキーの見つかったロイズ岬の小屋はその時に使ったものではない。残念ながら、伝説の物語との直接の繋がりはないようだ。
さて見つかったウイスキーだが、ブレンデッドスコッチのマッキンレーズである。南極探検隊のオフィシャルスコッチとして、アーネスト・シャックルトンがマッキンレーズを選んだという話はつとに有名で、同ブランドの宣伝に大いに貢献した。もともとマッキンレーズはチャールズ・マッキンレーが1815年に創業したマッキンレー社によって造られていたブレンデッドウイスキーだが、現在はインドUBグループ系列のホワイト&マッカイ社がこのブランドのライセンスを持っている。
ホワイト&マッカイ社のマスターブレンダー、リチャード・パターソン氏は、この発見について「これはウイスキーファンへの、天国からの贈り物ではないでしょうか。」とコメントしている。そして、「もし中身を問題なく取り出せ分析できたなら、100年前のマッキンレーズを復元できる可能性があります。実は当時のレシピはすでに失われてしまい、もう存在しないのです。これまで閉ざされていた歴史の扉を、開けることができるかもしれません。」とも述べている。
マッキンレーズは、かつてはよく飲んだブレンデッドだ。最近のは飲んでいないのでわからないが、とても美味しいスコッチだという印象がある。特に特級表示の頃のレガシー12年は格別だった。100年前のマッキンレーズがどんな味なのかは想像もつかないが、ぜひとも復元して欲しいものだ。