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280_2008030806.jpg去る3月27日は、故マイケル・ジャクソン氏の誕生日だった。もし存命だったなら66歳になっていたとのこと。左の画像は、サンフランシスコのアンカー・ブリュワリング社が制作したポスターだ。ロンドンのハマースミスにあった彼のオフィスの壁には、このポスターが飾られていたという。

この偉大なウイスキー専門家の誕生日を『インターナショナル・ウイスキー・デイ』にしようではないかという興味深い提案が、ウイスキーをテーマにしたソーシャル・ネットワーキング・フォーラム、『ザ・ウイスキー・チャンネル(The Whisky Channel)』に投稿記事として載った。投稿したのは、オランダのウイスキー専門家であり作家としても知られるハンス・オフリンガ氏

なかなかいい考えだと思う。彼が偉大なウイスキー専門家であったことに異を唱える人はまずいないだろうし、世界的にウイスキー熱が高まっている今、これは定着しそうな気がする。日本でも広く認知されるように、私も微力ながら働きかけていきたい。

なお、ザ・ウイスキー・チャンネルとは、ウイスキー・ライター&コンサルタントのイアン・バクストン氏(ウイスキー・マガジン等での執筆で知られる)が昨年の11月30日(St Andrew's Day !)に立ち上げたソーシャル・ネットワーキング・サイトのこと。会員登録しなくても閲覧は可能だが、投稿はできない。登録はもちろん無料だ。

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willam_lawsons.jpgブレンデッド・スコッチのウィリアム・ローソン(William Lawson's)のCMが面白い。YouTubeにもいくつかアップされているので紹介しようと思う。

数種類のヴァージョンがあるのだが、いずれもキルトを履いたスコットランド人をモチーフにしてあり、ユーモアと風刺を基本路線に作られている。以下、個人的に面白いと感じた順に並べてみた。なお、キルトを着用する際は、“下着をつけない”というのが習わしだという。これを知らないと、このCMの面白さは半減だ。


【第1位】

 

【第2位】

【第3位】

【第4位】

【第5位】

【第6位】

【第7位】

【第8位】


1位の作品には、シャロン・ストーンが出演している。『氷の微笑』のあの有名なシーンをパロっていて思わずにやり。シャロン本人も大爆笑だ。連れの男の表情もいい。2位の作品は緊張感をあおるシーンから、一転心温まる結末へというお決まりの展開だが、最後のシーンの間抜けさには笑った。3位の作品は、スコットランド人を嘲笑したイングランド人が思わぬ報復を受けるといった内容。上目遣いの女性と、唖然とするイングランド人の顔には思わず苦笑。4位の作品は、YouTubeでアップされている数の多さが目につく。勇猛さを誇示するのに、大げさな身振りや大声なんて必要ない?といった内容だ。

まあ押しなべて下ネタ色が強いのだが、そういう要素がなかったらこの手のCMはつまらない。良識的にも社会通念上許される範囲だと個人的には思うし、このシリーズはもっともっと見てみたい。

追記(3/25):
アイラ島の新聞「Ileach(イーラハ)」の日本語版サイトを運営していらっしゃる茂木毅さんのブログ『アイラ島&スコットランドの旅と文化』の3月24日付けの記事の中で、M's Whisky Diaryとこの記事を紹介していただきました。どうもありがとうございます。

lagavulin_guitarr.jpgイタリアのギター・メーカーが、なんとウイスキーの樽を加工してエレクトリック・ギターを作ったという。しかもラガヴーリンの樽だとのことで、俄然興味が湧く。利用した樽の部位は、当然と言えば当然だが鏡板である。

作ったのは『マネ(Manne, 英語読みなら“マン”かな?)』というメーカー。“ウイスキー・ギター”誕生のいきさつはこうだ。経営者のアンドレア・バラリン氏は、今年のムジークメッセ(musikmesse 2008, [3/12~15], ドイツのフランクフルトで毎年開かれている国際楽器見本市)に展示するギターのアイデアが浮かばず悩んでいたらしい。そんなおり、彼がシングル・モルト好きであることを知っている人物が、ウイスキーの樽を原材料にしてみては?なんていう提案をしたところ、そのアイデアがずばりバラリン氏のツボにはまったということだ。

実際の制作にあたっては、有名なウイスキーサイト、『モルトマニアックス(Maltmaniacs)』のヨハネス・ヴァン・デン・フーヴェル氏と『ウイスキーファン(Whiskyfun)』のセルジュ・ヴァレンティン氏に協力を仰いだという。またディアジオ社に空き樽の提供を打診したところ、同社のニック・モーガン氏は快諾し樽を送ってくれたとのこと。

wg0.jpg樽はよく乾燥させ、ギターの材質に適したコンディションに整えていく。そして裁断と成形が済んだ樽材のボディには、表面を保護するためのオイルを塗布といった按配で作業が進められる。さて、その保護剤のオイルだが、何とラガヴーリンのモルトが“ヴァッティング”されているという(笑)。しかも、1991年ヴィンテージのスペシャルエディション(すなわち“ダブル・マチュアード”)だそうな。思い入れも、そこまでいけばアッパレだ。

ウイスキー樽の廃材を利用したものは、家具や家屋の内装、文具などこれまでにもよくあったが、楽器に利用するというアイデアには正直唸った。しかも裏には、鏡板だったことを物語るステンシル文字が残されている点も洒落ている。

Univ_Aberdeen.jpg3年ほど前、ウイスキーにはポリフェノールの一種であるエラグ酸が大量に含まれており、痛風の予防や治療に効果があるという話題がニュースになった。だがウイスキーは、人間の病気ばかりでなく地球が侵されている病までも治してしまうのだという話が、今話題になっている。

スコッチ・ウイスキーの製造過程で生み出される副産物を利用して汚染された土壌と水を浄化する革新的な技術が、スコットランドのアバディーン大学(University of Aberdeen)で開発されたという。その名も『DRAM』(笑)。なぜ可笑しいのかと言えば、説明するまでもないと思うが、スコットランドで「dram」と言えば杯(さかずき)を意味する言葉だからだ。例えばよく使われる「A wee dram」というフレーズなら、「ほんの一杯のウイスキー」といった意味になる。浄化技術の方のDRAMは、“Device for the Remediation and Attenuation of Multiple pollutants”のイニシャルを並べたものらしい。もし、偶然の一致だと言われたら正直訝らずにはいられないが、例え恣意的なものがあったにせよ命名者に座布団一枚はあげたいところだ。

さて気になるのはその副産物だが、現時点では明らかにされていない。浄化の技術そのものについても、現時点ではアウトラインさえ明かされていない。ただ、将来にはウイスキーに限らず他の飲食物の副産物にも、この技術は応用できる可能性があるという。またこれまでネックだった、かかる時間とコストの問題をある程度解決できたこともこの技術開発の大きな成果らしい。なお現在、副産物はグレンフィディック蒸留所の協力を得て、提供を受けているとのこと。

世界で環境の汚染が深刻な地域は少なくない。この技術が、なるべく早く実用化されることを望むばかりだ。

kininvie09may07.jpg『モルトアドヴォケート』のジョン・ハンセル氏の2月26日付けのブログに、キニンヴィに関する記事が載った。来月の27日にロンドンのヒースロー空港にオープンする『ターミナル5』を記念して、オフィシャルのキニンヴィ17年が500本限定で発売されるという。ファーストボトリングではないのだが、幻のモルトと呼んでさしつかえないキニンヴィのリリースはちょっとしたニュースだ。ちなみに、空港内の免税店のみでの取り扱いとなる模様。

製品名は『へーゼルウッド・リザーブ(Hazelwood Reserve)』になるという。へーゼルウッドの名でのボトリングは3回目となるが、すべてがキニンヴィのシングル・モルトというわけではない。

  Real Identity Bottled Age Alc. Out Turn Sup. 
Hazelwood
(1st Edition)
Vatted
Malt
2001 20
yo
50
%
? not
for sale
Hazelwood 105
(2nd Edition)
Kininvie
Single Malt
2006 15
yo
52.5
%
About
1,500
 
Hazelwood Reserve
(3rd Edition)
Kininvie
Single Malt
2008 17
yo
? 500  

またプレスリリースには、「ドライフルーツと、強烈なオーク風味のスパイスを伴ったナッツの香り。」といったテイスティングノートが記されているらしい。

さて価格だが、700アメリカドル(およそ74,000円)だそうな。これは苦笑するしかあるまい。まあ、コレクターズアイテム的な要素を考えればありえない価格ではないのかもしれないが、近年のプレミアム系シングル・モルトの価格高騰ぶりには本当に閉口する。

なおへーゼルウッドというのは、キニンヴィ蒸留所の近くに建っている屋敷の名称だという。ウィリアム・グラント&サンズ社の創業者ウィリアム・グラントの孫娘であるジャネット・シード・ロバーツ女史(今年の8月でなんと107歳の誕生日を迎える!)が、1993年以来住んでいるとのこと。

モンキー・ショルダー(ウィリアム・グラント&サンズ社が所有する3つの蒸留所、グレンフィディック、バルヴェニー、キニンヴィの原酒だけから造られているモルト・ウイスキー)は、なかなか秀逸なヴァッテド・モルトだと思う。ファーストボトリングのキニンヴィ(すなわちへーゼルウッドの2nd)の評判は決して芳しいものではなかったが、本来の実力ではなかったのだと思いたい。セカンド・キニンヴィには、価格に相応しいパフォーマンスをぜひ見せて欲しいものだ。

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【プロフィール】
HN:
MUNE
HP:
性別:
男性
自己紹介:
 1990年頃、スコッチウイスキーの魅力に開眼、次第に傾斜を深めていく。1998年、ウェブサイト「M's Bar」を開設、書き溜めていたシングルモルトのテイスティングノートを公開。2005年、ウイスキー専門誌「THE Whisky World」の発足メンバーに。現在は、試飲のできるリカーショップ「M's Tasting Room」の運営に携わり、ウイスキー関連のイベントでは講師やアドバイザーなども務める。著書に『うまいウイスキーの科学』(ソフトバンククリエイティブ)など。
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