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昨年の9月28日にグラスゴーで行なわれたマクティアーズのオークションで、史上最高値で落札されたことで話題になったいわゆる『マター・ボウモア』だが、2月20日付けのWHISKYFUN.COMに興味深い関連記事が載った。ウイスキー・アドヴォケート誌のライターであるジョニー・マコーミック氏の記事が、ウイスキーキャストのマーク・ギレスピー氏を通じて届いたらしい。
オークション当日、マコーミック氏はマター・ボウモアの落札会場にいたという。記事の中では、入札額のせり上がっていく様子が臨場感たっぷりに描写されてあり、緊張感が伝わってくる。また彼は、実際にボトルに触ることができたという。そして何と、ボトルから香り立つアロマを嗅ぐ機会を得られたというのだ。
なぜそのようなことができたかと言えば、10月2日付けの記事にも書いたが、腐食したコルクが液中に落ちてしまったからなのだが、どのような経緯でノージングができたかについてはふれられていない。ボトルの口の部分には蒸発を防ぐためのフィルムが巻かれてあったという。コルクがウイスキーの中に落ちてしまったのは、マクティアーズ社に持ち込まれた後のことで、オークションの前日もしくは何日か前のことだったそうだから、応急処置的に巻かれてあった可能性もある。だとしても、オークション会場でフィルムを外すという行為はちょっと考えられないので、ノージングはそれ以前に行なわれたのだろう。ともあれ、そのノージングノートが記事中に掲載されているので、翻訳して転載させていただくことにする。
外 観: |
緑がかった砂の川床色。オイリーで、わずかにレッグ(ボトルやグラスの内面に垂れる液筋のこと)が認められる。
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アロマ: |
とても新鮮、そして紛れもなく、偉大でパワフルなアイラウイスキー。それは現代のアイラ島を代表するスモーキーで人気のある南海岸のモルトを思い起こさせる。ヨウ素、泥炭煙、紙袋に入れられた塩気のある乾燥ダルス(地元でよく見られる海藻)の茎、長くあとを引く焦げたトフィーの香り、フレンチローストのブラックコーヒーのかすかなニュアンス。嗅覚のタイムトラベル!
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またマコーミック氏は、マクティアーズ社の年代鑑定は適切であるというマーティン・グリーン氏の説を擁護する考えを表明している。一連の年代鑑定疑惑について、彼らの指摘の一部は必ずしも妥当性があるとは言えないというのだ。
例えば、『スコティッシュ・ブリューイング・アーカイヴ(Scottish Brewing Archive)』の公文書保管人であるイアン・ラッセル氏の「ボトルが手吹きで作られたものならば、首の部分が球根状に膨らんでいるのはおかしい。もっと直線的なフォルムになるはず。」という指摘に対し、マコーミック氏は「ボトルのネックが球根型であることは、1850年代には別に珍しいことではありませんでした。2006年にロンドンのボナムズ(Bonhams)オークションハウスで落札された『グレンエイヴォン』は1851年に蒸留されたものと鑑定されましたが、ボトルの形状は件のマター・ボウモアにそっくりです。」と記事の中で反証している。
手吹きで作るボトルの首を膨らますことが可能かどうかについてはよくわからないが、グレンエイヴォンとマター・ボウモアとのボトル形状がそっくりかどうかについては、写真を見る限り正直微妙だと思う。いやネックに限って言うなら、むしろ“似てない”のではないだろうか? まあいずれにせよ、この論争に決着がつくのはまだまだ先のことになりそうだ。
昨年の10月12日にディアジオ社の『シングルモルトウイスキー・フレーバーマップ』の紹介記事を書いたが、その後何種類かのリニューアル・ヴァージョンが作られたようだ。
現在オフィシャルサイトに掲載されているものでは、マイナーな銘柄がいくつかカットされ、クラシックモルト・シリーズのディスティラーズ・エディションが何種類か追加されている。マッピングポジションは若干の微調整が行なわれているが、大幅な変更は見当たらない。その中で比較的大きくシフトしているのが、ボウモア12年([Rich]→[Light])とグレンモーレンジ10年([Light]→[Rich])あたりだろうか。
また、ポジションマークの表示方法にも改良が加えられている。●はクラシックモルト・シリーズで、▲はそれ以外だ。また産地による色分けもされてあり、青がアイランズ、水色がアイラ、茶色が東西沿岸域、肌色がハイランド、紫がスペイサイド、そしてモスグリーンがローランドとなっている。ちなみにインヴァネスよりも北にあり、スペイサイドよりも西に位置するクラインリッシュは、本来北ハイランドといった区域に分類されるべきだと思うのだが、ディアジオ社によれば「東海岸地域」となるようだ。
ファーストリリースのマップは、取り上げた銘柄のバランスが悪く突っ込みどころが満載だったが、それゆえの面白さがあったと思う。現行のものは完成度は高まったが、ちょっとつまらなくなったかなあというのが正直な感想だ。
前回の記事でも取り上げた「モルトアドヴォケート」のジョン・ハンセル氏のブログだが、2月6日付けのボウモアに関する記事はとても興味深い内容だ。
昨年の秋に新しいブラック・ボウモアがリリースされたことはまだ記憶に新しいが、実はこのボトル、『1964ヴィンテージ3部作』の第1弾なのだそうだ。今年にはなんと第2弾のホワイト・ボウモア、そして来年にはレッド・ボウモアがリリースされる予定だという。ただし、マスター・ブレンダーのイアン・マッカラム氏によれば、レッド・ボウモアは現時点では暫定的な呼称で色は変更される可能性があるとのこと。
さて、素性への興味をかきたてられるのが、レッド・ボウモアだ。ホワイト・ボウモアは、バーボン樽で寝かせたものらしい。このあたりはまあ想像がつく。レッド・ボウモアについて「何かワイン系の樽でウッド・フィニッシュさせるのでは?」と、ハンセル氏がマッカラム氏にさぐりを入れたところ、はっきりと肯定はしなかったものの「レッド・ボウモアは今まさに造っている真っ最中です。どんな色になるかは、“最後の樽”をどれにするかにかかってるんですよ。」と、あっさり認めたらしい。
ちなみに価格だが、新ブラック・ボウモアはおよそ2,000ポンド(50万円)。となればホワイト・ボウモアとレッド・ボウモアも、おおよその見当はつく。60年代に蒸留されたボウモアが、この上なく素晴らしいという考えに賛同するには決してやぶさかではない。しかしオリジナルのブラック・ボウモアが、1993年の発売当時には97ポンド(約20,000円)で購入できたことを思うと、なんだかなあとは思ってしまう。
最後に5つのブラック・ボウモアのデータを載せておく。何かの機会に、お役立ていただけたら幸いだ。
Distilled | Bottled | Age | Alc. | Out Turn | Cask | |
Black Bowmore (1st Edition) |
1964 | 1993 | undiscribed | 50 % |
2,000 | oloroso sherry butt |
Black Bowmore (2nd Edition) |
1964 | 1994 | undiscribed | 50 % |
2,000 | oloroso sherry butt |
Black Bowmore (3rd Edition) |
1964 | 1995 | undiscribed | 49 % |
1,812 | oloroso sherry butt |
Bowmore (for Oddbins of the UK) "Black Bowmore II" |
1964 | undiscribed | 35 years old |
42.1 % |
undiscribed | hogshead |
Black Bowmore 42 yo |
1964 | 2007 | 42 years old |
40.5 % |
undiscribed | oloroso sherry butt |
多くのモルトファンから強い支持を受けているアードベッグの「ヤング」シリーズだが、今年リリース予定の10年物に関する話題がウェブのあちこちで流れている。情報の発信元は、アメリカのウイスキー雑誌「モルトアドヴォケート」の、編集者かつ発行人であるジョン・ハンセル氏の1月23日付けのブログだ。アルコール度数は55.9%で、名前はどうやら『ルネッサンス (Renaissance)』になるらしい。
2004年からほぼ毎年のようにリリースされてきた「ヤング」シリーズだが、出された順番に列挙すると以下のようになる。
"Very Young" 1997-2004 6yo 58.9% (Committee Reserve)
"Very Young" 1998-2004 6yo 58.3%
"Still Young" 1998-2006 8yo 56.2%
"Almost There" 1998-2007 9yo 54.1%
"Renaissance" 1998-2008 10yo 55.9% (となる見通し)
リリースの時期だが、ビル・ラムズデン博士によればここ2~3か月のうちに発売されるだろうとのこと。ただ、間近のアイラ・フェスティバル(5/24~5/31)まで引っ張られる可能性はあると思う。またアルコール度数は予定値であり、多少の変動はあり得るという。
ブログ記事の中には、「この新しい10年物がコミッティのメンバー向けボトルになるのかどうかについては、ラムズデン博士は言及を避けた」という、ちょっと気になる記述がある。いずれにせよ、非メンバーでも事実上は購入可能なので気にする必要はないだろう。
なおアードベッグ・コミッティへの入会資格は、18歳以上であること以外は特に問われていない。年会費なども必要ないので、アードベッグファンならぜひ入会しておくことをお奨めする。
ロンドン市長のケン・リヴィングストン氏が、オフィシャルな会議中にウイスキーをがぶ飲みしていたという。英国は今、そんなちょっと信じ難い話題で持ち切りだ。
その様子を収めたドキュメンタリー番組が、21日の20時から英国第4の公共放送「Channel 4」にて放送された。撮影されたのは、昨年の11月14日だという。朝10時 (!) から市庁舎で開かれたロンドン市議会の会議でのことだそうだ。
そのスクープの裏づけをとるため、同局のレポーターは彼が飲んでいた琥珀色の液体のサンプルをこっそり入手。そしてその液体を政府管轄下の科学研究所に持ち込み、間違いなく47度のアルコールだという分析結果を得たらしい。
後日、その潜入レポーターは市長と話をする機会を持ち、「14日の会議の後、あなたは間違いなくフラフラだったはずです。」と告げた。すると市長は悪びれる様子もなく、「私はねえ、ウイスキーがないとやっていけないんだよ。飲んでいないとすぐに咳が出てしまうんだ。」と答えたらしい。う~む、素晴らしい市長だ。大丈夫か?、ロンドン。
さて、市長の飲んでいたウイスキーだが、銘柄が気になるところだ。47度という度数だけが手がかりでは、絞り込むのはかなり難しい。そこで市長の愛国心を信じ、スコッチであったと仮定しよう。やや高めのアルコール度数からはついついシングルモルトを思い浮かべてしまうが、どうも「がぶ飲み」という表現がひっかかる。嗜好品の楽しみ方は人それぞれなので断定はできないが、モルト・ウイスキーではなかったのではないかと思う。とすれば、このあたりが有力候補となるだろうか。
番組によれば、リヴィングストン氏のその“習慣”は、大ロンドン庁 (Greater London Authority) で定められた行動規範に明らかに違反してるそうだが、それはそうだろう。しかし、首相のゴードン・ブラウン氏はこの一件について、「彼には確固とした活躍してきた経歴があり、人々はそれを知っています。そういう視点から、人々は彼に対して判断をくだすでしょう。」と、何だか奥歯に物が挟まったようなコメントだ。リヴィングストン氏は労働党内では先輩に当たる人物だから、ブラウン首相としても頭の痛いところだろう。